YouTubeなどに投稿する動画の音量・音圧について考える
こんにちは。エンゲル係数高男ことFです。最近は生ハムの原木を買いました。(2万円。。。これはそのうち記事にしよう)
話変わって、普段、俺 Tribeというユニットで動画投稿をしています。
二人でそれぞれ動画を作っているということもあって、音量がまちまちだったりしたのですが、流石に見辛いかなと思って、重い腰をあげて調べてみました。
今回はそんな、YouTubeなどの動画投稿サイトに投稿する動画の音量についての話です。
サイト側の仕組み
音圧が高い音源は圧縮される
そこそこ有名な話ですが、動画投稿サイト(及び、音楽のサブスク。Apple MusicとかSportifyとか)はある程度の基準を超えた音源を圧縮する(≒音量を小さくする)仕組みがあります。
これはなんのためにあるのかというと、動画の音量がバラバラだと、ランダムに動画を再生しているユーザーが困るからです。
動画の自動再生になっているときに、急に音量が大きい動画がきたらそれはもうびっくりすると思います。
なので、ある程度の基準を超えた場合には、サイト側が勝手に圧縮します。(音量が小さくなくなるだけではなく、「圧縮」というのがミソ)
なお、基準を超えない音源はそのままの音圧になります。多分。
なので、音圧が低い音源はそのまま再生されます。ここは要注意。
余談ですが、iPhoneのMusicや古くはiPodにも「音量を一定にする」と言う設定があり、このような「音源再生側で音量を整える」と言うことは昔からありました。
YouTubeにおける圧縮の基準
圧縮の判断に使われる基準ですが、音量ではなく、音圧になります。
DTMなど音楽をやっている方だと概ね理解はされている概念だと思いますが、ふんわりと説明すると、音源全体の平均的な音の大きさという感じです。
音量と音圧についてはこちらなど参照。
で、「音圧がいくらになったらYouTubeに圧縮されるのか?」については、詳細な基準は分かりませんが、こちらのブログなどで結構詳細に調べられています。
ラウドネス値(音圧の値の1つ)が-14.0 LUFSというのが基準らしいです。。
この値は、普段CDなどに収録するような音圧よりも遥かに下です。(つまり、CDに収録するような音源をそのままアップすると基準を大きく上回る)
でも圧縮されて困ることあるわけ?
一部の方を対象にあります。
圧縮されると言うことは、音質が変わります。特に、強く圧縮された場合には、かなり音質が変わってしまいます。
なので、自分の曲を投稿する場合や、ASMRなど音源の質を気にする方は、圧縮されると困ります。(自分が思った音ではなくなってしまうので)
先ほど、CDに収録する音圧だと基準を上回る、と書きましたが、ものすごく圧縮されて音がかなり変わります。曲を作っている身からするとこれは嫌ですね。
でもぶっちゃけ、ゲーム実況や、トーク企画などでは、そんな音に拘らないし圧縮されてもそんなに困らないかな〜とは思います。
じゃあ一体どんな音圧にしてみたらいいのか考えてみる
みんなを見てみる
実はYouTubeでは、その動画の音圧がどのぐらい変更されているか見ることができます。
動画の再生画面で右クリックして「詳細統計情報」を押すと、いろいろ出てきますが、そこの「Volume / Normalized」の項目です。


見方としては、Normalized圧縮率で、content loudnessがその動画の音の大きさになります。
圧縮率は、100%だと非圧縮で、値が小さくなるほど圧縮されていることになります。
content loudnessは、0を基準に、その動画の音量下げられた量を表しています。+だと、その分小さくなっています。−だと特に変わりません。小さいままです。
上の画像は俺 Tribeの動画のうちの1つですが、圧縮はされていなくて、音量は少し小さめということがわかります。(実際聴いていただくと、少し小さい)
みんなを見てみた考察
ゲーム実況、トーク、企画もの
全人類が愛するTop YouTuberのヒカキンの動画を何個かみてみましたが、圧縮率が90%前後のものが多かったです。
つまり、多少圧縮されてもいいから、程々に音量は大きくしておく、という考えになっていそうです。
CM
企業広告だと基準があるのかなと思いましたが、意外とまちまちでした。
圧縮率30%ぐらいのものもあり、大きければいい(でかいほどインパクトがある)と言う考えになっていそうです。
楽曲系
これは完全に二分されます。
おそらくCDの音源をそのまま使っているものと、YouTube用に最適化したものです。
CDの音源をそのまま使っているものだと圧縮率50%ぐらいでした。
YouTube用に最適化されているものだと、90~100%ですかね。
ここはかなり意識の差が出ています。
なお、プロの公式アカウントなどでは、別途使用できるフォーマットがあるようです。音圧についての言及は不明ですが、どうなってるんですかね。
THE BACK HORNなどのMVを見てたら正直かなりまちまちで、圧縮率50%とかもありました。
そして導き出された、自分が作る動画の音圧
結局のところ、皆さんがYouTube見る環境って、スマホのスピーカーだったり、Bluetoothイヤホン(この時点で音質としてはBad)とかな環境で、心してリスニングするぞみたいな環境じゃないべ????
だったら、音質気にして圧縮率頑張ってもな〜〜〜〜
それより、音量感が他の動画に比べて小さすぎず大きすぎずの方が大事では???
そんな気持ちになりました。
(もちろん、曲の作り手としては、楽曲はYouTubeに音質変えられるのは嫌ではありますが、その労力に対して効果はあるのか・・・と言う気持ちに自分はなっています。)
ただ、やはり圧縮されまくって変な音(聞きづらい音)になるのはNGと思います。
結果として、「圧縮はされすぎず」「音量は確保する」がいいかなと思います。(つまりヒカキンの考え)
そんな理想の音源を作るために
ここからは前述した考えに基づく自分なりの基準です。
自分が作る動画の基準(ゲーム実況系)
content loudness -2~+2の幅に抑える
圧縮率は80~100%
これで行こうと思います。
実際の作り方
Final Cut Proで、音源にLimiterとかかけれるので、それでできますが、Final Cut Proのエフェクトにあまり慣れていないので、Cubaseで整えてます。
ちょっと面倒ですが、
1.Final Cut Proで動画作成
2.Cubaseに動画取り込み
3.Cubaseで、WavesのL1をかけて調整
と言う流れでやってます。
上記の基準に抑えるには、Cubase上のLUFSが-5~6ぐらいですかね。
音圧の測定方法はサイトやソフトでまちまちなので、自分のソフトでこれぐらいにすると、YouTubeではこのぐらい、という基準を、何回か試して確立させると良いと思います。
楽曲系は・・・
動画用にリマスタリングするのが手間なので、CDのままで行こうかと・・・
トーク系の動画だと、動画内での音量差がかなり激しいので、音圧感を整えるのは結構しんどいし、動画の仕組み自体結構難しいよな〜と思いつつ、頑張っていきたいですね。
ではまた。
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